口腔外科・インプラント

インプラントとは

インプラントとは無くなった歯の部分の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯(上部構造)を取り付ける治療方法を言います。 入れ歯とは異なり固定式なので、違和感も少なく自分の歯とほぼ同じような感覚でかむことができます。 最初に口の中の状態を模型・レントゲンなどで詳しく診査します。それをもとに治療方針を決定し、手術を行います。 骨とくっつく期間(約1~2ヶ月間)をおいた後、型をとり上部構造を装着します。治療期間は口の状態にもよりますが、 通常インプラント手術から3ヶ月前後、骨の移植を必要とする場合は6ヶ月~約1年程の期間がかかります。
歯を抜くときと同程度の麻酔でインプラント手術は行えます。手術の内容によっては腫れを伴うこともありますが、 手術後2~3日を過ぎると、腫れも落ち着いてきます。インプラント治療費は、現在保険適用されていませんので自由診療となります。

当院ではインプラントについての詳しい説明会を月に1回実施しています。詳しくは、こちらから。

口腔インプラント部門

口腔インプラント部門の特徴

  • 専門的技術と学識を有するスタッフ  (スタッフはこちら
    (日本口腔インプラント学会認定の歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士)
  • 痛みが心配な患者様には、全身麻酔や静脈内鎮静法を用いた施術を行っております。
  • 複雑なインプラント手術、多数のインプラント植立手術の時は、入院下で行います(入院用ベッド24床有)。
  • 清潔な手術室、滅菌された器具を使用した手術にて行ないます

インプラント手術は、体内に生体材料を埋め込む手術ですので、通常の歯科治療が行われる空間よりも清潔な空間が必要になります。 当院では、インプラント専用の手術室を設け、患者様がご希望される日程に手術ができる体制を取っております。 さらに、多数のインプラントを一度に埋入される患者様には、麻酔専門医、歯科麻酔専門医による全身麻酔や静脈内鎮静法を使用した麻酔を行ないます。 また、骨移植を必要とする高度なインプラント治療の場合も口腔外科専門医である歯科医師が対応いたします。

インプラントの料金について

インプラント術前検査
術前検査料 59,180円
ガイドサージェリー使用時 44,000~55,000円追加
インプラント手術
手術料 220,000円/本
骨移植等の付加処置
砕片骨移植 22,000円/本
粘膜移植(止血シーネ使用) 58,850円
ブロック骨移植 77,000円
腸骨移植 110,000円/側
上顎洞底拳上術(サイナスリフト) 55,000円/側
上顎洞底拳上術(ソケットリフト) 22,000円/本
手術管理料等(X線写真撮影等含む)
管理料 24,310円~
インプラント上部構造
プロビジョナル(仮歯) 22,000円~/本
白金加金鋳造冠 110,000円~/本
陶材焼付鋳造冠 132,000円~/本
ジルコニア 143,000円~/本
静脈内鎮静法や全身麻酔、入院等
静脈内鎮静法(日帰り入院) 71,500円~
全身麻酔 165,000円~
入院費 16,500円/日

※税込価格表示です。
※料金は目安です。個人のお口の状態によっては変更になる場合がございますのでご了承ください。

インプラント手術のリスクや副作用について

  • 喫煙や糖尿病・骨粗鬆症・リウマチなどの慢性疾患、ビスフォスフォネートなどの薬剤は、歯肉や骨の治療、長期予後に影響を及ぼす可能性があります。
  • インプラント手術は患者、術者ともに万全の状態で臨みますが、麻酔薬に対するアレルギー症状や出血、血圧変動やその他の予期せぬことが稀に起こることがあり、その場合は手術を中断、もしくは術式の変更をする場合があります。
  • インプラント術後は一般的に軽度の疼痛、腫脹、出血、開口障害、内出血を伴うことがあります。また、非常に稀ではありますが、神経の損傷による口唇・舌・オトガイ・頬部の知覚麻痺や上顎洞炎(蓄膿症)、術後咬合の不調和、顎関節機能障害、頭痛、首や顔面の筋肉痛、その他違和感などが生じる可能性があります。
  • インプラント植立後の歯肉や骨の治癒能力を正確に予測する方法はなく、感染や経過不良の場合はインプラントの撤去や再埋入を行う可能性があります。
  • インプラントを長期に維持安定させるためには術後のケアが重要です。治療後は6ヶ月、そしてその後1年毎の定期的なメンテナンスと検診が必要です。
  • 保証期間(上部構造装着後5年間)経過後に経年劣化でのインプラントの歯間部破折やネジ破折が生じ、交換等が必要な場合には費用が別途必要となります。

むし歯

  • 歯ってどうなっているの?

    エナメル質:体の中でいちばん硬い組織です。
    象牙質:エナメル質の次に硬い組織で、むし歯になると痛みを感じます。
    歯髄(俗称は神経):神経と血管があります、痛みを感じる部分です。

  • むし歯はどのように進むの?

    • C1

    • C2

    • C3

    • C4

    C1
    エナメル質のみが侵されている初期の状態、痛みはありません。この状態で治療を受けるのが一番よいでしょう。
    C2
    むし歯が象牙質まで広がり歯の表面に穴が開いた状態。冷たい物や甘い物がツーンとしみるようになります。むし歯になっている部分を取り除き形を整えてから、金属やプラスチックをつめる治療をします。
    C3
    神経までむし歯が達してしまった状態、こうなると痛みがでます。処置としては神経をとり、薬をつめて、金属製の冠をかぶせます。歯は神経をとると、健康な歯に比べてもろくなりますからC2の段階までに治療をする方がよいでしょう。
    C4
    むし歯を治療せずに放置していたために、根のみになっている状態。歯髄は死んで根の先端に膿がたまり、また痛みが出ることもあります。こうなると歯を抜かなくてはいけません。
  • 治療した歯がしみるのはどうして?

    むし歯に侵された歯は、周りに広がらないように、むし歯の大きさより大きく削ります。ですから治療後の歯はその分だけ神経に近くなり、刺激が神経に伝わりやすくなるのです。 しかし歯は神経を守ろうとして神経を囲むように新しい壁を作ります。これが第2象牙質です。これができると刺激は神経に直接伝わりにくくなり、しみなくなります。 ※しみなくなるまでの期間は個人差があります。落ち着いて様子をみてください。

  • 時々、温かい物や熱い物がしみるけどそれはどうして?何もしていないのに、ズキズキ痛むのはどうして?

    むし歯が神経まで届くと、むし歯の毒素が中に入り込み、直接神経を刺激するため、激しい痛みが出ます (歯髄炎)。また、むし歯になっていない歯でも歯周病が進行すると歯周ポケットから根の先端部にある小さな穴へ毒素が入り、炎症を起こします(上行性歯髄炎)。

  • かむと痛いのはどうして?

    それは歯髄炎をそのまま放置しておくと、むし歯の毒素が、顎の骨と歯を結びつけている歯根膜という部分にまで広がってしまい、炎症を起こすからです。(歯根膜炎)

  • 頬や歯肉が腫れているのはどうして?

    歯根膜炎をそのままにしておくと、炎症が周囲の組織や顎まで広がってしまうために腫れてしまうのです。

  • どうして歯科の治療は長くかかるの?

    C3(歯髄まで侵入)まで進行してしまうと痛みは強烈、歯が浮いたり、咬むことができなくなります。そして頬が腫れてきたり・・・・。こうなると歯髄は救えません。そうすると根管治療をするのです(死んだ歯髄や汚れた象牙質を取る治療)。

  • 根管治療とは?

    1. 死んでしまった歯髄や汚染された象牙質を専用の器具を使ってとり除き、根の管の中をきれいになるまで拡大し、きれいになるまで消毒します。症状によって程度の差がありますので、通院回数、消毒期間は個人によって異なります。

    2. 根の中が消毒され、症状が落ち着くと、空洞になっている管の中に感染を防ぐための防腐剤をつめます。

    3. 神経をとった歯は弱くなっていますので、補強のために土台を入れます。

    4. 冠の型をとります。

    5. 金属製の冠をつけます。

    ※その後はちゃんとかめているかどうか、磨けているかどうかなど定期検診にぜひ来てください。

歯周病(歯槽膿漏)

  • 最近テレビや新聞で歯周病という言葉をよくみるのですが、どんな病気なのですか?

    歯周病は生活習慣病ともいわれており、30歳以降では約8割の方が歯周病を罹っているといわれています。
    また、歯周病は歯を支えている骨がゆっくり壊されていくため、あまり痛みを伴いません。
    しかし確実に進行していき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

    • 歯肉炎

    • 歯周病(軽度)

    • 歯周病(重)

  • 歯磨きの時出血します・・・

    歯磨きをすると出血するので、わざとそこは磨かないとよく聞きます。 出血するということは、そこの部分に炎症があるのです。 炎症はプラークや歯石がついていることでおこります。 まずは、歯磨きでプラーク(歯垢)を取り、歯科医院で歯石除去を受けることをお勧めします。

  • 朝起きたとき口の中がネバネバします・・・

    お口の中に原因がある場合、歯周病が進行している可能性があります。
    まず歯科医院を受診してください。

  • 歯がグラグラします・・・

    歯周病が進行して、歯を支える骨などの組織が壊れてなくなっている状態です。
    すぐに歯科医院を受診してください。

親知らず

  • 親知らずってなんですか?

    親しらずとは個人差はありますが、18~22歳頃に一番奥に生えてくる歯です(8番や智歯とも呼びます)。 一般に日本人の場合、顎が小さいため、親しらずが正常にはえてくることはまれです。 横に埋まって頭を半分出したようなもの、歯肉が被って骨の中に埋まっているものもあります。

  • どんな影響があるのですか?

    親しらずと上に被っている歯肉の間に細菌がたまり、歯肉が腫れ、痛くなることがあります。 また、前の歯にあたる7番目の歯の根を吸収させてしまうこともあります。 親しらずが後ろから押して、前歯がガタガタになることがあります。 親しらずと隣の歯の隙間に食べカスが入り、むし歯になることがあります。

  • 歯を抜くのは怖いのですが、何かいい方法はないでしょうか?

    不安の強い方には静脈内鎮静法をお勧めします。 鎮静剤を血管から投与して、半分眠ったような状態で手術を行う方法です。

  • 抜いた後が心配なのですが・・・

    痛みに対しては、鎮痛薬で対応します。 また抜いた影響で頬が腫れる場合もありますが、3~7日でひきますので心配はありません。

  • CT撮影(コンピューター断層撮影)を薦められたのですが何故ですか?

    下の顎の神経に親しらずが近接している場合があります。単純なレントゲンでは、立体的な位置関係が正確に分かりづらいので、3D-CTの撮影をお薦めします。3D-CTで、なおかつ近接していると判断した場合、2回にわけて抜歯する方法をお薦めします。 歯の半分を先に抜歯して、神経から歯が離れるのを待ってから、残りの半分を抜歯します。

    • 3D-CT画像

    • レントゲン写真

悪性腫瘍に対する診断、治療後の機能再建

 口腔内にも癌腫、肉腫といった悪性腫瘍が発生します。口腔内の病変は直接、視診、触診が可能なことから早期発見が可能であります。疑わしい病変については、経過観察の上、確定診断を行うこともできます。
 当院では早期発見の後、熊本大学医学部歯科口腔外科をはじめ、専門の医療機関に紹介し、処置ならびに手術が終わった後は、当院で機能再建に努力しています。
こうした分野を顎補綴と称しますが、主に癌などの悪性腫瘍の手術後や口唇口蓋裂などの奇形、外傷などで生じた実質欠損を補綴処置によって形態的、機能的に回復することであります。患者さんは摂食・咀嚼・嚥下・発音などの機能障害や高度の審美障害、さらにこれらによって惹起される心理障害により、社会復帰が困難になるおそれもあり、リハビリテーションの面からもこれらに対する補綴処置が重要な意味をもつものと思われます。
 当院では大学の耳鼻科、口腔外科、補綴科とのチームアプローチにより、これらの患者さんの主として術後の顎補綴治療にあたっています。困難なケースが多い中、患者さんとともに話し合いながら、少しでも良い状態で社会復帰ができるようにと、日々努力しているところです。

歯科恐怖症の方へ

  • 「歯は痛いけれども、あの音がいやで歯科医院に行く気になれない・・・」いい方法はないのですか?

    1 笑気吸入鎮静法
    低濃度の笑気を吸入し、意識を消失することなく高揚感・多幸感を感じた状態で治療する方法です。 局所麻酔の注射が怖い方・歯科恐怖症の方(歯科治療に対し強い緊張感をもっている方)に適しています。
    2 静脈内鎮静法
    静脈に点滴をしたのち鎮静薬を投与し、リラックスした状態で治療をする方法です。 効果は30分から1時間ほど持続します。 過去、歯科治療中に貧血を起こした方・過換気症候群を起こした方・高血圧症の方・嘔吐反射の強い方などに適しています。
    3 全身麻酔
    上記①②とは違い、まったく意識のない状態で治療を行います。

    このようにストレスなく治療する方法はいろいろありますので、一人で悩まずに是非一度相談に来てください。

全身麻酔下歯科治療

  • 子供にむし歯があるのですが、治療を怖がりなかなか治療が進みません。何かいい方法はないですか?

    当院では、治療に強い抵抗を示す小児や、恐怖心・嘔吐反射の強い方、重症心身障害者などに対して全身麻酔下での集中治療を行っています。 回数をかけても恐怖心が強くなかなか治療が進まないお子さんも多く、治療が1回(内容によっては数回)で終わり、保護者の方にも大変喜ばれています。
    詳しくはお気軽にスタッフにお尋ね下さい。

  • 全身麻酔は危険ではないですか?

    当院麻酔科により全身麻酔を行っており、現在まで重篤な合併症などは生じておりません。

  • 高額の費用がかかるのでは?

    治療内容や麻酔時間により費用は変わりますが、いずれも健康保険の範囲内で処置、入院が可能です。

  • 入院がなかなか難しいのですが・・・。

    最近は麻酔薬や麻酔技術の進歩により、麻酔後の覚醒も早くなり、嘔吐や発熱などの不快事項も減少してきています。それに伴い日帰り処置が可能となり、付き添いの方の負担も軽減しています。