01:地域における歯科医療の担い手として-虫歯・歯周病の撲滅へ-

人間は親知らずを含め、32本の歯を持っていますが、80歳になっても20本以上の自分の歯を残しましょうという「8020運動」が推進されています。
当院のスタッフは地域の皆さんがこの目標を達成するために、若い時からむし歯や歯周病に対して正しい知識を持ち、歯や口腔の健康を保てるようにサポートしてきました。従来の「おまかせ医療」から患者の皆さんも治療に参加する「参加型医療」を目指し、治療→ホームケア→定期的なチェック→健康づくりのサイクルを支援したいと考 えています。
特に生活習慣病である歯周病には、指導ー初期治療ー外科療法ーメインテナンスのサイクルが大切で、皆さんの参加型医療を目ざしています。
日本では平均寿命が伸び、高齢社会を迎えています。その中でQ.O.L.(クオリティー・オブ・ライフ)という言葉に代表されるように質の高い生活を維持するためには 、食生活、つまり歯や口腔内の健康が保たれて、おいしく食事ができることが、一つのポイントとなります。

治療前 治療後
治療前 治療後
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02:口腔外科疾患への対応-二次医療機関をめざして-

歯科医師を養成する歯学部の教育は細分化されていて、保存学(主にむし歯、歯周病の治療)、補綴学(主に義歯=入れ歯の治療)、口腔外科学(炎症や腫瘍、嚢胞、顎関節疾患に対応)、矯正歯科学(歯並びや顎の対向関係に対応)、小児歯科学などに分かれています。
しかし開業すると設備やスタッフの関係からどうしても、保存治療、補綴治療が主になってきます。口腔外科的疾患への対応や矯正治療は専門機関へ紹介し、病診連携、診々連携をとることが、歯科医療提供の立場から勧められています。

当院には日本口腔外科学会の指導医をはじめ、専門医など専門家と呼ばれるスタッフがいますので、地域の歯科医師や、一般医師の方々からも紹介を受け、口腔外科疾患の治療に当たっています。平成24年度は109歯科医院、97の医科医療機関から1867名を越す紹介を受けています。地域の先生方との病診連携を今後も推進して参ります。

手術室にて外科手術中 手術室にて外科手術中
手術室にて外科手術中
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03:顎・顔面・口腔領域の救急医療の確保

救急医療は「医療の原点」との認識から1983年以来、1日24時間、1年365日の救急歯科医療体制を当院は維持しています。年平均で1200名ほどの患者さんが当院の救急外来を受診しています。ですから、当院のナースステーションの灯が消えることはありません。処置内容としては歯痛を主訴として来院する患者さんが多いため、う蝕処置など一般的な歯科治療が多いのですが、その後は、地域のかかりつけ歯科医の受診を勧めています。その他重度な炎症に対する消炎処置、外傷などの口腔外科的な処置を要する患者さんが受診しています。近年は交通事情の多様化から交通事故をはじめとする外傷患者が増加しています。それに比例して熊本県下の救急病院に搬送された外傷患者の顎・顔面・口腔領域に対する診断・加療目的での往診の依頼、あるいは当院への転院も増えてきました。当院の救急医療に対する貢献が認められるところとなり、平成11年度熊本県知事表彰、平成12年度厚生大臣表彰の栄誉をいただくことができました。今後もさまざまな救急医療ニーズに応えていきたいと考えています。

救急患者(外傷)の口腔内写真と顔面
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04:医科・歯科連携 -麻酔科併設-

高齢および超高齢社会が進む日本において、患者様も多くの基礎疾患を持っていることが多く、また歯科疾患が全身疾患をおこしている例(たとえば歯周病の母親が低体重時を生むなど)も散見されております。歯科治療で当院を訪れる患者様にも同じようなことが認められております。最近では抗血栓療法による出血傾向、糖尿病による易感染状態を持った患者様も多くおり、そうした患者様に安心して治療を受けていただくことが重要であると考えます。そのため当病院では2009年4月1日より麻酔医の後藤倶子医師(元中央病院麻酔科部長)をお迎えし、基礎疾患を持っている患者様に対して十分な精査を行い、異常については速やかに対処できるように致しております。また全身麻酔の患者様全例および有病者の患者様に対しましては後藤先生の術前診察をお願いし安全性の向上を行っております。急変時の対応についてもスタッフ一同BLS、DCLSを基礎に院内救急体制の整備を行い、また他医療機関と連携を持ち速やかな対処ができるように準備致しております。このように当病院では歯科のみならず医科との共同診療で安心、安全、安楽な歯科治療を行えるようにいたしております。

小児の診療中(後藤倶子麻酔科医師) 研修歯科医指導
小児の診療中
(後藤倶子麻酔科医師)
研修歯科医指導
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05:矯正診療への対応

矯正歯科ではどのような咬み合わせの異常を治療するのでしょう。

まずは乱杭歯です。特に現代の若年者では、顎が徐々に小さくなる傾向が認められ、永久歯の萌出する場所が少なくなるためにおこり、正しく咬めないことばかりでなく、虫歯や歯周病の原因にもなっています。
次に上顎前突、下顎前突です。これはいわゆる出っ歯や受け口といった咬み合わせで、 乱杭歯同様に正しく物が咬むことができないことや、他にも顎の関節に悪影響を与えたり、 発音がうまくできないといったことが起こる可能性があります。
この他にもいろいろな不正な咬み合わせがありますが、これを正しい咬み合わせにする治療が矯正歯科です。治療期間は咬み合わせの状態、年齢によって2~3年またはそれ以上かかることもありますが、正しく咬み合わせることができるということは、生涯にわたっ て非常に重要なことです。

当院では診査・診断から治療、メインテナンスに至るまでの包括的矯正治療を行っています。さらに骨格性の困難な症例には、外科的顎矯正手術を行っています。
平成13年4月より治療の充実をはかるため、常時2人(矯正指導医2名)体制とし、また診療日も従来の月2回の土・日曜日から全平日、土曜日および月2回日曜日と拡張しました。矯正歯科の簡単な説明ではありましたが、何か質問・相談がありましたら当院へ来院 または連絡をお待ちしております。

治療前
前歯でほとんど噛むことが出来ません。発言も聞き取りにくく、見た目も良くありません。 前歯にすき間がたくさんあります。
治療後
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06:顎変形症に対する外科的矯正手術の実践

不正な咬み合わせに、顎骨の過成長、劣成長を伴う骨格的なものがあります。
例えば、上下の顎骨が前後的、あるいは左右的に調和がとれていない状態です。 これらを顎変形症といい、具体的には骨格性の下顎前突(受け口)、 上顎前突(出っ歯)、開咬(前歯が咬み合わない)、および顔面非対称があります。
不正咬合は審美的に劣るといったことや、咀嚼・嚥下・発音などの口腔機能障害、 カリエスや歯周疾患の原因となるなど、問題をもたらします。 このような場合の治療は歯列矯正治療だけでは治すことができせんが、 外科手術を併用することにより、顎骨を調和のとれた位置に移動するとともに、 咬み合わせおよび顔貌の改善を図ることが可能です。
これを外科的矯正治療と言い、手術は全身麻酔下で口腔内から行い、 通常10日~2週間の入院が必要となります。
当院においては、この治療法を昭和51年から導入し約1190症例が終了、 全症例とも現在良好な咬み合わせと調和のとれた顔貌が得られています。 当院の最も得意とする分野です。
当院は更生医療指定機関ですので、このような顎変形症に対しては、 手術、入院だけでなく、手術前・後の歯列矯正治療も健康保険が適用されます。 健康保険の適用により 本人の負担は2~3割となり、従来よりも経済的負担は軽減されています。ご質問などありましたら受付にお気軽にご相談ください。

治療前 治療後
治療前
治療前
治療後
治療後
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07:顎関節症への対応

大きく口を開けたり、閉じたりする時に「カクッ」と音がしたり、痛みを伴ったり、口が開きづらいといった症状の経験はありませんか?
顎関節症は大きく分けて、咀嚼筋の異常であるMPD症候群、顎関節自体が問題である顎関節内障、そして精神的因子の強い症例などがあります。
これらの原因として考えられるものに、咬合異常、精神的ストレス、外傷などが考えられます。複数の因子が絡み合っているケースも多く、治療に際しては、慎重に対処する必要があります。

当院では、顎関節と咬合の安静をはかるとともに診断的意味も含めてスプリント療 法を基本的に行っていますが、MPD症候群では、筋のマッサージ、マニュピュレーション(筋肉のストレッチ)、低周波治療、針治療を補助的に行っています。
スプリント療法で咬合の異常が見つかれば咬合調整を行っていく必要があります。 関節円板が転位し、復位しなくなったクローズドロック症例では、スプリント療法に加えマニュピュレーション(徒手誘導法)やパンピング療法(関節腔内洗浄療法)を行います。しかしこれらの治療法で効果のなかった場合は、顎関節鏡視下手 術を行い開口障害の改善をはかっています。

現在、当院では最新鋭のストライカー社製(米)のアルスロスコピーを駆使して、顎関節に対する内視鏡手術を行っています。この手術により今までのような大きな手 術侵襲はほとんど無くなり、術後の気になるメスの傷痕や後遺症も少なくなりました。

顎関節腔内の線維性癒着(内視鏡所見)
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08:インプラント診療

近年、歯牙欠損部に対する補綴法としてインプラントによる修復が行われてきており、 予知性の高い治療法として認識されるようになってきました。 当院においても1978年よりインプラントを臨床応用し、35年を経過しました。
1995年4月からは、インプラント専用の手術室を設置し、スムーズなシステムが確立されました。
1988年まではセラミック製インプラントを、1989年からはチタン製インプラントを使用し、 2012年度までに3482症例6946本を植立しました。 Kaplan-majer法による10年残存率は97.8%であり、 長期的にかなり安定していると思われます。
これはインプラント周囲組織の歯周病学的観察とX線学的観察を1つのテーマとしてとりあげ、 定期的なリコールによる観察によって、インプラント周囲組織の環境を経時的に、かつ客観的に評価し、 それに基づいた治療、指導管理を常に実施してきた結果によるものと思われます。

ここにも「患者さん参加型医療」のすばらしい成果をみることができます。 詳しい研究報告については、学術発表のインプラントの項目を参照していただければ幸いです。

インプラント手術前 インプラント植立
インプラント手術前 インプラント植立

デンタルX線写真
デンタルX線写真
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09:悪性腫瘍に対する診断、治療後の機能再建

口腔内にも癌腫、肉腫、といった悪性腫瘍が発生します。口腔内の病変は直接、視診、触診が可能なことから早期発見が可能であります。疑わしい病変については、経過観察の上、確定診断を行うこともできます。
当院では早期発見の後、熊本大学医学部歯科口腔外科(篠原正徳教授)をはじめ、専門の医療機関に紹介し、処置ならびに手術が終わった後は、当院で機能再建に努力しています。
こうした分野を顎補綴と称しますが、主に癌などの悪性腫瘍の手術後や口唇口蓋裂などの奇形、外傷などで生じた実質欠損を補綴処置によって形態的、機能的に回復することであります。患者さんは摂食・咀嚼・ 嚥下・発音などの機能障害や高度の審美障害、さらにこれらによって惹起される心理障害により、社会復帰が困難になるおそれもあり、リハビリテーションの面からもこれらに対する補綴処置が重要な意味をもつものと思われます。

当院では大学の耳鼻科、口腔外科、補綴科とのチームアプローチにより、これらの患者さんの主として術後の顎補綴治療にあたっています。困難なケースが多い中、患者さんとともに話し合いながら、少しでも良い状態で社会復帰ができるようにと、日々努力しているところです。

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10:訪問歯科診療

近高齢社会が進む中で、歯科医療において訪問歯科診療のニーズはとどまることを知りません。
当院では平成4年5月に地域のニーズに応えるべく歯科医師1名、歯科衛生士2名の訪問歯科診療チーム、1チームを発足させました。以来週4回の火、水、木、金曜日に在宅、老健施設、病院を訪問し、活動にあたっています。さらに歯科衛生士2名で月~金曜日に口腔ケアを中心に活動しています。
チームを発足して以来、患者数は年々増加傾向にあります。 平成23年度の1年間の統計では初診患者数395名、出勤日数243日、延べ患者数4618名を数えるまでになりました。処置内容としては齲蝕の処置、義歯関係が主で、その他口腔ケア、抜歯などと続いています。

介護保険への積極的理解と協力

介護支援専門員実務研修受講試験に当院より歯科医師1名、歯科衛生士2名が合格しています。
居宅介護支援事業所のライセンスも取得、これからの活動を考えています。今後も地域の皆さんの Quality of life が、歯科治療によって少しでも向上できるように努めていきたいと考えています。
平成18年度より介護予防事業(口腔機能向上)が開始され、当病院では熊本市より委託を受けて行なっています。要介護状態に陥るおそれの高い方(特定高齢者)を対象に口腔機能向上の介護予防を目的として集団で実施いたします。地域包括支援センターより連絡を受け、月に1回、計3回を1クールとし、安全に、おいしく、楽しく食べていただくことを最大の目標に様々な講話や健康体操などを提案し、行なっています。
詳しくは地域包括支援センターにお問合せください。

訪問歯科診療チーム
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11:高齢者・障害者に対する歯科診療

西暦2020年、日本の人口の約4人に1人は高齢者になると言われており、 確実に超高齢社会は近づいてきております。高齢者の患者さんは何らかの疾患を持っていることが多く、 歯科治療で当院を訪れる人にも同じようなことがみられます。 そうした患者さんには当院では細かい問診や内科との情報交換、モニタリング=全身管理下治療に心がけております。 また、緊急時におけるスタッフの訓練や静脈内鎮静法下の治療も行っています。 それらの治療が不可能な場合には当院に入院、全身麻酔下における集中治療も行っております。 有病者の方でなくても、歯科治療恐怖症の方や嘔吐反射の強い方にも、静脈内鎮静法下において苦痛や緊張、 不安を感じずに治療が受けられるようになっております。安心、安全、安楽な歯科治療が当院のモットーです。
社会福祉法人志友会芦北学園(篠原誠園長)は、昭和43年2月に重症心身障害児施設として芦北町に開設され、 現在200名の園生が生活してい ます。歯科室は伊東歯科の協力参加の下、平成4年7月に開設し、 当院より月・木の週2日歯科医師が派遣され、歯科衛生士2名が加わって重症心身障害者の歯科治療に従事しています。
入所者の主な疾患は脳性麻痺(CP)、精神発達遅滞(MR)であり、抑制具使用のもと、 口腔環境の改善に日々努力しています。また、抵抗が強く抑制のみでは治療が困難な患者に対しては、 笑気鎮静法・静脈内鎮静法を併用して、保存修復・補綴処置・歯周治療・抜歯・予防処置・ブラッシング指導等を行っています。
なお、鎮静法にて効果の得られにくい園生、もしくは多発齲蝕の園生には、 伊東歯科医院で全身麻酔による入院下での集中治療を行っています。
これまでに全身麻酔下での歯科治療は615例を経験しています。(2008年12月現在)

診療中
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12:各種健診事業による地域歯科保健の確立・健康教育事業参加

平成9年6月より日赤健康管理センター人間ドックに歯科検診が導入され、当院が全面的に協力いたしました。
1日平均40名~50名、年間300日の2日人間ドック受診者の歯科検診を基本 検診として位置づけ、歯、歯肉、粘膜、顎関節、咬合を含めて検診を行っています。 特に口腔の癌、前癌病変は視診、触診が可能なことから、早期癌の発見を第一としています。検診してよくわかることは、歯周疾患に罹患している方がほとんどということです。時間やお金をかけて治療したものが長く機能し、健康を保つには必ずしも歯科医院に頻回に通うことではなく、家庭で、会社で、個人で、その人に合った歯・口の健康づくりを常日頃行うことが必要なのですが、まだまだ口腔保健の啓発が不足しているのが現状のようです。 今後いかに歯周疾患にアプローチしていくかが、依然として課題のように感じます。
健康づくりに定期的な健康診査が必要であるとの認識が高まっています。しかしながら、歯科に関しては制度的にも、皆さんの気持ちの中でも低調なのでしょうか?
当院では、学校歯科検診に熱心に取り組み、指導を兼ねて行い、学校保健会にも積極的に参加し、児童・生徒の健康づくりに歯科医として提言しています。
また、企業内での社員の健康づくりに役立つ歯科診査、指導を行っています。某工場では平成3年開始時CPITN平均1.86が平成9年では平均1.26と著明な改善が見られています。 また地域での老人会(黒髪老人会)の中での講話や研修会にも積極的に参加し、健康増進に役立つよう心がけています。

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13:学術研究発表

毎日の臨床をよく記録し、整理を行い、評価することは臨床そのものが充実・発展する上で大切なプロセスです。どんな小さな問題も見逃さないように、そして得られた結果をまた診療に活かすことが臨床水準を充実する基本です。
さらにこれらを専門の学会で発表し、それぞれの先達から批評、指導、助言を受けることは私達の臨床を支える大きな力になります。
これを論文として発表できれば多くの先生方とその知識、技術、考え方を共有化することとなり、歯科医学の発展に寄与することになります。
当院では学会での発表、医学論文として発表を定期的に行っています。
どうぞ、興味のある方は「学術研究発表」の欄をご覧ください。

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14:歯科医師研修事業

平成8年歯科医師法が改正されて歯科医師臨床研修制度が法制化され、平成9年4月から歯科医師臨床研修が始まった。この制度下においては、1年以上の臨床研修が努力義務化されていたが、必修化はされていなかった。そこで、歯科医師の資質のさらなる向上をはかり、歯科医師としての基盤形成の時期に、研修歯科医が臨床研修に専念できる環境を整備すること、研修歯科医が臨床歯科医師として患者中心の全人的医療を理解した上で、歯科医師としての人格を涵養し、総合的な歯科診療能力を身につけ、臨床研修を生涯研修の第一歩とすることを目的として、平成17年6月に歯科医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令が公布・施行され、平成18年4月から新歯科医師臨床研修制度が必修化されることになった。

当病院は、歯科医師臨床制度が義務化された平成18年度から、単独研修方式、管理型研修方式と日本大学歯科病院、日本大学松戸歯学部病院、九州歯科大学病院、九州大学病院、福岡歯科大学医科歯科総合病院、鹿児島大学病院との複合型研修方式による研修を行っています。
研修の目的は、歯科医師国家試験合格後の歯科医師に対して、一般歯科診療に従事しうる基本的な診療能力(態度、技能および知識)を修得させ、高い倫理観と豊かな人間性を有し、患者に信頼される臨床歯科医師を育成し、生涯研修の第一歩とすることであります。
当病院では、各種歯科疾患はじめ、口腔外科疾患、インプラント、顎変形症、歯列不正、などの症例が豊富で実践的研修が可能で、コミュニケーションスキルを重視した、診断から治療まで一貫した基本的臨床能力を身につけることを特徴としています。
1年目は厚生労働省歯科医師臨床研修制度で行なわれますが、それ以後は伊東歯科口腔病院独自のシステムで行なわれます。2年目は基本的総合臨床を履修、3年目以降は一般歯科臨床とともに専門的知識や先進的歯科医療を通して認定医や専門医を目指します。

当病院は、日本口腔外科学会、日本矯正歯科学会、日本歯周病学会、日本歯科麻酔学会、日本障害者歯科学会の研修指定医療機関に指定されており、各学会の認定医、専門医の資格が取得できます。現在、歯科医師臨床研修指導医は各分野(口腔外科、矯正歯科、歯周病科、歯科麻酔科、障害者歯科)7名が在籍し、研修歯科医の教育、指導にあたっています。

1期生 入佐弘介、冨永裕美
2期生 関光輝、後藤俊秀、伊東博美、北夕貴子
3期生 寺崎恵多朗、山田貴之
4期生 中山啓、森野茂
5期生 大川伊織、野中憲昭、五島嘉人、大野敦香、松江彦兆
6期生 藤本拓司、濱崎貴光、森尚子、秦雄一郎、山口顕広、五十嵐祐史
7期生 山口佳奈子、西田くるみ
8期生 五十嵐まりこ、石井浩一郎、植木猛士、岩永知大、深水康太郎、裵福泰
9期生 笠原貴仁、等々力珠代、長谷川綾、佐藤麻子、滝口晋平、斉藤健一
10期生 井口佳太、前田大輔、高田勇生、那須正義、秋本貴子、山尾康暢、上山貴史、
兼松めぐみ、山本晴子、川本敏雄、 金氏毅、神谷順子、松原良太
11期生 濱津明香、賴藤千愛、植木修平、冨沢文明、本岡路都子、井上真理子、
吉田覚、竹中誠一郎、宮城正己
12期生 小野恒佑、大内雅博、白土博司、高岡昌男
13期生 上田真由美、山田恭子、安野貴美恵、羽原幸司、池田圭、谷本栄仁、
久保慶朗、秦省三郎、真下貴之、遠藤善孝、森谷智基実
14期生 熊野毅、小池智子、古賀喬充、日高絵理、久保洋平、白土康司、
野口紗耶香、野口健志、吉元苑巴、佐藤香
15期生 飯盛美豊、匠原健、木村倫子、川原絵美、東克匡、篠原綾乃、板家智、藤田隆寛
16期生 平田貴裕、箕田竜也、野田一樹、泉健太郎、古園大気
17期生 門脇加奈、古宮宏記、古川みなみ、山本毅、松尾勇弥、梶田倫功
18期生 今村圭吾、有薗ケイラ、牛島祥子、津田礼彰、竹部史朗、豊田大輔、水野晃、中尾優子、吉富貴博
19期生 甲斐悠太、島村怜、楠橋由規、仲里尚倫、織田祥太、澤岻沙由季、安東祐季、大田吉宏、笠孝成
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15:国際交流

国際交流、この頃よく耳にする言葉ですが、歯科の世界では特に大学を除いてはあまり縁がないように思われます。その中で当院は熊本県、熊本市の友好都市関連で国際交流を積極的に行っています。特にアメリカ合衆国サンアントニオ市と中国広西壮族自治区との交流は、学術的なことのみでなく家庭的な交流や、熊本-広西歯科医療交流協会のように本格的な交流まで幅広く展開しています。
学術的な交流では、熊本市政100周年人づくり基金の補助を受け、1993年4月から1ヶ月間、院長、西村賢二、和久田哲生先生の3人の先生でテキサス大学サンアントニオ校歯学部の顎顔面口腔外科教室を中心に見学研修が行われました。3人はサンアントニオ市の名誉市民の称号をいただきました。その2年後には同大学の顎顔面口腔外科教室の教授であるバンシックルス先生が当院の創立記念会の特別講演のため来熊されました。これらの交流によって特に手術手技において進歩的なことが導入され、患者さんの入院期間が大幅に短縮できるなど質の高い医療につながりました。
熊本ー広西歯科医療交流協会では主に不足している歯科診療チェアー広西壮自治区に送り、その活用状況の視察などが行われています。また1995年には広西壮族自治区人民医院口腔科、覃迪生先生を3ヶ月間、民間ボランティアを交えて留学のお世話をすることができました。
ICA研修事業で2000年8月~9月にわたり、ブラジル、ヴィトリア市開業の高崎精介先生が当院でのインプラント研修を希望され、多くのインプラント植立手術、口腔外科手術を見学されて帰国されました。
2003年にはチュニジアに岸田剛先生が2004年には鬼塚澄江看護師、2005年には中村純子看護師が国際医療派遣団の一員として医療活動に携わった。2006年9月には熊本県海外技術研修員等受入事業においてボリビアより藤井弘幸先生が当院で研修を行いました。た、2008年9月にはブラジルより西坂アンドレイ幸二先生が研修を行ないました。このように関係諸機関の協力により世界を間近に感じる機会が与えられていることに感謝しています。

サンアントニオ市 テキサス大学にて
修了証を手ににっこりの高崎精介
(ブラジルヴィトリア市開業)先生
ボリビアより研修:藤井弘幸先生
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